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呂律が回らない(構音障害)の原因とは

呂律が回らない(構音障害)の原因は一体何か?

呂律が回らないことを、医学的には構音障害と言います。今回、構音障害の原因についてお話します。声の高低は声帯が関与していますが、発音は唇、舌、軟口蓋が関与しています。

主に「ぱ」行は唇、「た」行は舌、「か」行は軟口蓋の働きが大きいです。これらの器官を動かす神経はそれぞれ異なり、唇は顔面神経、舌は舌下神経、軟口蓋は舌咽神経です。つまり顔面神経が障害されると「ぱ」行が発音しにくくなります。それに加え、片側の閉眼困難、口角下垂などの症状も認めます。

舌下神経なら「た」行の発音障害と共に、舌をまっすぐ出せぜ片方に偏位してしまいます。舌咽神経なら「か」行が発音しにくくなります。構音障害のタイプは主に6種類に分類され、診察でどの神経が障害されているかがわかるとも言われています。
Pam Enderby. Chapter 22 – Disorders of communication: dysarthria, Handbook of Clinical Neurology, Volume 110, 2013, Pages 273-281.

さて、これらの神経が障害される病気は何がありますでしょうか?最も多い原因は脳梗塞です。
脳梗塞についての記事は、こちら。その他、頭蓋内疾患全般、Bell麻痺、ラムゼイハント症候群など、原因は多岐に渡ります。またこれらの神経が障害されていなくても、加齢、ストレス、アルコールが原因で構音障害となることがあります。

脳梗塞が原因の構音障害は秒単位で急に症状を認めます。特に顔面神経成分が障害されやすく「ぱ」行の発声困難感に加えて口角下垂を認めることが多いので、口に水を含むと下垂している側からこぼれやすいことを訴える患者様が多いです。

構音障害のタイプは主に6種類に分類され、構音障害のパターンで脳のどの部位が障害されているかが診察でわかるとも言われています。脳梗塞を起こす脳の場所によって出る症状が異なるので、脳梗塞になったから必ずしも構音障害を認めるわけではありません。

また失語と構音障害は異なります。失語とは、発音自体は問題なく出来ます。しかし頭に浮かんだ言葉を声に発することができない症状のことを言います。失語も脳梗塞で認める症状の1つなので、覚えていたほうが良いでしょう。

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