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「隠れ脳梗塞」について

よく聞く「隠れ脳梗塞」について、説明します。

今回は隠れ脳梗塞とは何なのか、について記載していきます。
脳梗塞の概要は、こちら

まず、脳梗塞が起きる脳の場所によって、出る症状が違います。
場所によって症状は、運動障害、半身麻痺、嚥下障害、しびれ、嘔吐、記憶障害、呂律が回らないなど千差万別です。もっと言うと、脳梗塞が起きても症状が何も出ない脳の場所があります。そこに脳梗塞を起こすことを「隠れ脳梗塞」と言います。医学的には、無症候性脳梗塞といいます。

特にご高齢の方は、隠れ脳梗塞がある方が多いです。頭部CT、MRIを撮ったら、隠れ脳梗塞が見つかったというケースが多いです。70歳以降は、頭のMRIを撮ると35%の方が隠れ脳梗塞があったという研究があります。小林祥泰ら, 無症候脳梗塞
, 日本内科学会雑誌 86 巻 (1997) 9 号,1800-1805.
 

どんな病気もそうですが、無症状のものには治療は不要です。つまり、隠れ脳梗塞に対して、バイアスピリンや抗凝固薬を飲む必要はありません。しかし現実は、予防的にこれらの薬を導入されている高齢者も少なからずいます。隠れ脳梗塞は全く問題ないのかというと、そうではありません。脳梗塞が起きたというのは事実です。次は何かしらの症状を認める脳梗塞を起こす可能性は大いにあります。なので、定期的に頭部MRI撮影、頚動脈エコーをすることを推奨されています。

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