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高齢者のてんかんと車の運転について

高齢者のてんかんと車の運転について

てんかんは子供になるイメージが強いと思いますが、大人にもなります。子供のてんかんの原因は先天的、生まれ持ったもののことが多いです。一方、大人のてんかんは後天的なことが多いです。具体的には、脳梗塞や硬膜下血腫、アルツハイマー病など、脳に何かしらダメージを与えるものが原因となります。

もちろんこれらの病気を患うのは高齢の方なので、てんかんを持つ高齢者は多いです。発展途上国では50歳以上から、先進国では60歳以上からてんかんの有病率が有意に上昇するというデータもあります。

Olafsson E, Hauser WA. Prevalence of epilepsy in rural Iceland: a population-based study. Epilepsia. 1999;40(11):1529–1534.Lavados J et al. descriptive study of epilepsy in the district of El Salvador, Chile, 1984–1988. Acta Neurol Scand. 1992;85(4):249–256.

高齢者のてんかんで特に注意すべきなのは、車の運転でしょう。昨今ニュースで高齢者の交通事故が話題となりますが、その一部にてんかん発作が原因だったものもあると思います。運転中にてんかん発作を起こし意識障害となると、大事故を起こす可能性があります。

現行の道路交通法では、2年以内てんかん発作を起こした方は運転ができません。2年以上発作がない方でも運転免許の取得や更新の際は、都度医師の診断書が必要です。仮にてんかん発作を起こしても、抗てんかん薬を飲み上記条件を満たせば、運転可能です。従来の抗てんかん薬は定期的に血中濃度を計測しなくてはいけませんでしたが現在はそれが必須でない薬も多いので、内服のハードルは下がっていると思います。

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