メニュー

尿酸は高いと痛風になりますが、低いとどうなるのか?

尿酸は高いと痛風になりますが、低いとどうなるのか?

健康診断で「尿酸が高い」と指摘されたことがある方、多いのではないでしょうか。尿酸が高いとは尿酸値が7.0 mg/dL以上、尿酸が低いとは2.0 mg/dL以上のことを言います。尿酸が高いと痛風になりやすいことは、結構有名だと思います。では尿酸が低いと、何か悪いことはあるのでしょうか。解説していこうと思います。

尿酸値の高低自体が何か症状を呈することはありません。しかし何らかの病態のリスクにはなり得ます。尿酸が低いことは、運動後急性腎障害と尿路結石のリスクとなります。

運動後急性腎障害とは、名前の通り運動をした後に腎臓の障害を認めることです。脱水や解熱鎮痛剤の内服をしていると、よりそれが起こりやすくなります。典型的な症状は、運動して数時間後の腰背部痛、嘔気、嘔吐です。ほとんどのケースは2〜4週間ほどで自然に改善しますが、再発する例もあります。尿路結石の典型的症状は、腰背部痛、血尿です。尿路結石となった場合、鎮痛剤で経過を見ることが多いですが、病態や症状によっては手術となることがあります。

では、低尿酸血症の原因は何でしょうか。結論は遺伝が関与しています。少しむずかしい表現ですが、腎臓の近位尿細管に存在するGLUT9/SLC2A9遺伝子変異もしくはURAT1/SLC22A12遺伝子に変異があると尿酸の再吸収が不可能となり、その結果血液中の尿酸値は低下します。このような方は、全人口の0.3%前後と言われています。

尿酸が低いことによる合併症は、医療従事者の中でもそこまで有名ではありません。この記事をきっかけに周知されたら良いと思っています。

参考:腎性低尿酸結晶診療ガイドライン

よかったらシェアしてください!
  • URLをコピーしました!