抗肥満薬の種類

抗肥満薬は、体重減少を助けるために使用される薬です。これらの薬は、食事療法や運動療法と組み合わせて使用され、肥満やそれに関連する健康問題（糖尿病、高血圧、心臓病など）のリスクを軽減することを目的としています。抗肥満薬は、主に以下の3つの方法で体重を減らす効果があります。

食欲抑制

このタイプの薬は、脳内の神経伝達物質に影響を与え、食欲を抑えることで摂取カロリーを減らします。代表的な薬には、リラグルチド（商品名：サクセンダ）や、セマグルチドなどがあり、これらはGLP-1（グルカゴン様ペプチド-1）受容体作動薬として知られています。これらの薬は、食欲を抑えるとともに、血糖値のコントロールにも寄与します。

脂肪の吸収抑制

脂肪の吸収を抑制する薬も存在します。オルリスタット（商品名：ゼニカル）は、消化酵素であるリパーゼを阻害することで、食事中の脂肪の吸収を減少させます。この薬は、消化された脂肪の一部が便として排泄されることを促進し、カロリー摂取を減らす役割を果たします。

代謝促進

一部の薬は、代謝を促進してエネルギー消費を増やし、体重減少を促します。例えばフェンタミンなどの交感神経刺激薬がこれに該当しますが、心血管リスクが高まる可能性があるため、長期使用には注意が必要です。

使用の注意点

抗肥満薬は、一定の効果があるものの、すべての人に適しているわけではなく、副作用のリスクもあります。特に、以下のような副作用が報告されています。

消化器系の副作用（下痢、腹痛など）

心拍数や血圧の上昇

精神的な変化（不安、うつなど）

そのため、抗肥満薬は通常、医師の監督下で使用され、生活習慣改善と併せて行うことが推奨されます。また、適応症や健康状態によって使用できる薬の種類が異なるため、使用前に医師との相談が重要です。